おととし2022年秋に新しい家を建てて引っ越した60代夫婦です。
新しい家に住み始めて2年目になるのですが、家を作る前から考えていたことがあります。
60代の家づくり 持ち家でなくてもよかった
いまここで言ってしまうと総スカン食らいそうなのですが、ほんとうはわたしは持ち家派ではありません。
いまでも賃貸でも良い、いや、むしろ賃貸で良いと思っています。
家をすでにつくっていながらこんなことおおっぴらに言えないですが。
持ち家、けして悪くはない、むしろ心のよりどころになる、と思ってはいます。
特にこれから歳を重ねて人生のエンディングが見えかけている60歳、持ち家ができたことでひと安心したのも事実です。
しかし、いままで引っ越しを20回近くかさねてきたわたし。
持ち家に心がとどまるわけがなくて、いまだに心はふらふらとさまよっています。
じゃあどこかにまた移住するのか、引っ越しするのか?
そう問われたら、「わかりません」。
60代の家づくり 家を持ったけれど
いったん家を構えてしまったら大きな荷物を抱えたことになります。
家は呼吸している生き物と同じと思っています。
手を入れてやらないと朽ちていく。
大きなペット、同居人と考えてもいいかもしれない。
もちろんいったん家を構えたからには家を育てていきますが、そこにずっととどまるかどうか、わたしはいまもわからない。
たとえば遠くに離れて暮らす両親の様子しだいではそちらに移る可能性もある。
ずっと暮らすまでしなくても行き来する可能性がある、一時的に住むこともあるかもしれない。
両親がもし亡くなってしまったら、その家を守っていくことになるかもしれない。
またたとえば、海外に興味がわいて、行ってみたくなるかもしれない。
もう一度留学してみたい、あることを現地で極めてみたい、などと思うかもしれない。
じゃあ賃貸でよかったのじゃないか、と言われるとそうかもしれません。
賃貸で家を借りて暮らし、いろんな地域に移り住んでもおもしろかったかもしれない。
かなり高齢になって身軽ではなくなったらどうする?
そんな高齢者に住むところを貸してくれるひとはいないかもしれない。
わたしの夫はそういう考えのひと。自分の家があることで安心するひとです。
お互いの考えをすり合わせた結果、わたしたちは今回家をつくることに決めました。
60代の家づくり なんとなくの未来の住まい像
離婚してひとりになった50代からぼうっと考えていたのは、高齢になったら友人とシェアハウス。
いま共同生活する若い人が増えているように、高齢者どうしが共同生活してもいい。
家を持って後悔している、というわけではないんです。
家を持ったからといって一生そこにおさまる、とどまる必要はないんじゃないか、ということ。
これから先も何が起こるかわからない、いろんな可能性があっていろんな住まい方がある。
わたしは家を持ったけれども持ち家派じゃない、持った家にとどまると決めたわけじゃない、という考え。
家がありながらそこを拠点として動くことがあるかもしれないし、もしかしたら手放すことになるかもしれない。
家をつくった、だけどいろんな可能性を考えることはひんしゅく、あり得ないでしょうか。
わたしはそれもおもしろい、と思ってしまう人間なのです。
「もう高齢だから」と「守り」に入ってしまう?
いつだって心は自由です。
何が起きるかわかりません、できるだけ楽しんで。
vlogでは日々の暮らしをつづっています。
Amazonの電子書籍、kindleで今年3月に出版しました。