2年前、年金相談に行ったとき、年金の任意加入をすすめられました。
年金を少しでも増やす方法をいくつか教えていただき、そのなかに任意加入がありました。
わたしは大学生、そして会社員になった頃、2年と少し、年金を納めていなかった時期があります。
40年前、いまほど年金加入がきびしくなかった時代です。
年月が経ちすぎて、もうその頃の年金をあとから納めることはできなくなってしまいました。
目次
国民年金の任意加入って? 50代セミリタイア主婦の老後資金
2021年、2年前に年金相談に行ったときに年金の任意加入をすすめられました。
60歳以降65歳未満、5年間の間に任意加入すれば、国民年金を満額受け取れるようにもなるというお話でした。
わたしは月数にして38ヶ月未納期間があります。
任意加入は未納期間分しかできません。
任意加入、当時にさかのぼってその頃の年金額を納めるわけではなく、いま現在の国民年金保険料(令和5年、2023年度は16,520円/月)を納めることになります。
月々16,520円X38ヶ月=627,760円(前納すれば割引あり)を収めれば国民年金が満額となります。
そうすることで65歳から死ぬまで、月々5,000円ほど多く年金を受給できます。
さて、どうしたものか。
国民年金の任意加入 メリット、デメリット 50代セミリタイア主婦の老後資金
2年前にその話を聞いたときは「そんなこともできるとは。でも任意加入のできる60歳までまだ時間もあるしなぁ」ぐらいにしか思っていなかった。
しかし、国民年金、いわゆる老齢基礎年金を一生涯増やすことができるとなると、60歳直前になった今、心がゆらぎます。
年金の任意加入、まだあまり知られていないのか、あまりするひとがいないのか、ネットでは同じような情報しか見当たらない。
任意加入をしてみた、という体験談はわたしはネットでひとつも見つけられませんでした。
まわりにもそういうひとはいないし、実態がわからない。
任意加入のメリットは、
- 老齢基礎年金を増やすことができる
- 社会保険料控除の対象となるので節税できる
できるだけ年金を追納すれば満額にまでもっていくこともできる。
任意加入のデメリットとしては、
- 老齢基礎年金を増やせるが、任意加入で元が取れるのは約10年後
- 任意加入中は年金受給ができない(繰り上げができない)
ひとによって増える年金額が異なりますが、私の場合は国民年金満額になったとしても毎月約5000円の増額。
納付額に比べて多いと思うか少ないと思うか、その人次第ではあります。
できるだけ受給できる年金額を増やしたい気持ちはありますが、元が取れる10年以内に死んでしまったらあまり意味はないかもしれません。
長生きすれば終身、確実に(状況にもよりますが)月々約5000円の上乗せは保証される。
国民年金の任意加入、やってみる? 50代セミリタイア主婦の老後資金
これらをふまえ、60歳になって任意加入するかどうか?考えました。
結論、わたしはしないことにします。
どうなるかはわからないけれど、老齢基礎年金を満額にするために必要な627,760円が手元にあるならば、自分で運用します。
627,760円、年利3%で10年運用できれば80万円ほどになります。
保証はないけれど、10年経てば任意加入で得られる月々5000円の上乗せより多くなる予定。
運が良ければ3%以上の利回りで運用できるかもしれない。
すべて自己責任だけど、わたしはそちらのほうを選択します。
国民年金の任意加入 年金が増えると困ることもある 50代セミリタイア主婦の老後資金
そしてもうひとつの理由。
年金額が増えるとかえって赤字になるおそれがあります。
これも人による、家庭、状況による、そして住む地域にもよりますが、年金が増えれば所得税のほかに住民税がかかってくることがあります。
住民税が非課税になるボーダーラインは、世帯主が夫の場合、夫の年金は年211万円以下、そして扶養家族である妻の年金額は年155万円以下(これはいまわたしたちが住んでいる土地の場合で、場所によって金額が異なります)。
それ以上の年金額になると状況が変わってきます。
- 住民税が課税される
- 国民健康保険料、介護保険料の負担が大きくなる
- 高額介護サービス費が高くなる、高額療養費制度の限度額が上がる
- 後期高齢者になると医療費が上がる、など
扶養されている家族であるわたしがもし任意加入しても、年155万円の壁は越えないとは思うのですが、たぶん150万円は超えてしまいます。
微妙なライン。
年金受給額を増やそうとしたのにかえって下げる結果になることは避けたい。
住民税を課税されてもびくともしない年金受給者ならいいのですが、我が家はそうではないのです。
この住民税非課税ラインを得るために、あえて繰り上げ受給をして年金額を下げるひともいるそうですから、国民年金、奥が深い。
わたしはまだまだ知らないことがあります、これからも考えていきます。