実家からアレが減っていた

わたしの両親は離れたところに二人で暮らしています。

80代の両親、元気で暮らしてくれているようなので、わたしが実家に行くのは一年に1回くらい。

いつ気づいたのか、実家に変化がありました。

他の家より鏡の多い実家

わたしの母はそんなに深く考えていないかもしれませんが、わたしは母と長くいるととても疲れてしまう。

母親が、苦手。ツライ

 

そういう親子もいる、どの親子もうまくマッチングするとは限らない。

 

デパートなど買い物に連れられていくと、ある女優さんにそっくり、と言われることが多かった母。

わたしがまだ実家で暮らしていた頃なので40年くらい前ですが。

ある女優さんにそっくりだったのです、わたしもそれは否定しない。

もう少し背丈があればもっとそっくりだったと思います。

 

わたしは母にも父にも似ていなくて、いったいどこから来たのか?と幼心に思っていました。

一方、母親は外出するたびに女優に似ている、きれいだ、と言われる、きっと悪い気はしないんだろうな、と買い物に連れ出されてそばに立っているわたしは思っていました。

 

わたしが実家にいた頃はやたら鏡の多い家でした。

母が家での仕事をする部屋にもある、台所にも、そしてトイレの中にも。

ここまで多い家はめずらしいかも、と子どもながらに思っていました。

実家の変化=両親の変化

母親が70歳くらいになった頃、あるとき実家に帰ってみてふと気づいたことがありました。

鏡が減っている。

あんなにあった鏡が少なくなった。

 

家の中の整理は母親まかせ、父親は手出しするどころか興味がないひとなので、鏡を減らしたのは母親。

なぜなのか。

理由は聞かなかったけれど、なんとなくわかった気がしました。

 

母親はいま80歳を超えましたが、同じ年齢の女性より若く見えると思います。

しかしシワやたるみは増えた、それはしかたのないこと。

鏡を減らしたのは年齢を重ねたから、けして母親は自分に興味がなくなったわけではないけれど、「もうこんなに鏡はいらない」と思ったのではないか。

 

母親も女性、いくつになっても美しくいたいし女として見られたい。

「年取ったからもう女でも男でもない」という女性もいるけれど、女性性は死ぬまであり続けるもの。

 

 

わたしが実家に行くたびに来ている洋服を見定められ、ひと言いわれることが苦痛でしたが、そういう美意識の高さも変わらない。

実の娘だから言うのであり、そうでなければ言わないだろう。

こういうところも実家の居心地の悪さですが、死ぬまでこうなんだろうなと思ってはいます。

 

 

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